兵庫県から広島に向かって車を走らせると、書写山トンネルを通る。
さぞや由緒正しい山なのだろうと思っていたら、その昔書写山円教寺には性空上人という高僧が住まれていたそうです。
さらに、面白いことに、この高僧が、遊女にやり込められた歌が『後拾遺和歌集』に残っています。
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遊女が、お布施をしたのですが、上人は、他の人からのお布施は受け取ったものの、彼女からのお布施は、受領拒否されたそうです。
そこで一句、、、
津の国のなにはのことか法ならぬ遊び戯れまでとこそ聞け
By 遊女宮木
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歌の意は、「摂津の国には、なにわという地名がございますが、本当に、あれやこれやある中で、なには仏法でない、ということがありましょうや。遊びや戯れもまた、仏法だと私は聞くのです。お布施を受け取っていただき、上人の功徳を分け与えてもらうというのに、遊女の身分が相応しくないなどということはないでしょう」