経営者から、
「賃上げしたら、モチベーション上がるのか!?」
「生産性が上がるのか!?」
と聞かれて、なんと返事するか、困ったことがありませんか。
この本の第1章で整理されていますが、そんな時は、ハーズバーグの2要因理論ですね。動機づけのためには仕事そのものの面白さに気づくといった内発的な動機づけが大切。賃金は、ある程度上げなければ不満の原因になって退出してしまう(あるいは最初から入社しない)という関係です。
つまり、まずは内発的な動機づけのために、ややストレッチした目標を与え日々指導して達成したら承認する、そして不満足につながらないように、ちゃんと賃金に反映させるという流れが大切。目標→支援→評価→承認→処遇→次の目標→…と言ったサイクルのどこかで流れが絶えると、狙っている生産性や業績にはたどり着かない。
だから、「賃上げしたのに生産性向上にたどり着かなかった」としても、それは賃上げに意味がなかったとは限らないです。マネジメントによる目標設定とか、支援、承認に課題があるのかもしれないということです。
サイクルのどこに問題があるか、どこがボトルネックか、よく見ながら施策を打つことが大切ということになります。
以上はHRの専門家は知っているのですが、スタートアップとか、これから組織や人事制度を作っていくステージの経営者は、必ずしもこうした心理学をご存知でない場合もあります。
悩みどころは、どうやったら、この内容を伝えられるか、ですね。参照した本は伝え方の工夫も優れているので、実務でも活用したいと思います。